生きるということ

この日、台湾は建国記念日。
偶然迷い込んだ、台北市東門駅近くの路地裏。
そこには、祝日らしく閑散とした大通りとは
真逆の光景が広がっていた。

路地を埋め尽くす数の屋台と行き交う人たち。
頭上を飛び交う掛け声。まさに人の坩堝だった。

そこに彼は居た。

彼には目もくれず通り過ぎる人波のなか、
ただ黙々と鍋を磨き、深い売り声を響かせていた。

LIFE AS IT IS, 2024

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あの頃の私へ